西島秀俊:黒沢清監督の海外初進出映画に「嫉妬した」

映画「ダゲレオタイプの女」の初日舞台あいさつに駆けつけた西島秀俊さん(右)と黒沢清監督
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映画「ダゲレオタイプの女」の初日舞台あいさつに駆けつけた西島秀俊さん(右)と黒沢清監督

 俳優の西島秀俊さんが15日、親交のある黒沢清監督の海外初進出映画「ダゲレオタイプの女」の初日公開を祝福して、東京都内で行われた初日舞台あいさつに駆けつけた。同映画を「傑作」と絶賛し、「フランス、ベルギーを代表するこれだけすごい俳優が、黒沢監督の作品だからって集まって。これからも、どんどん海外で撮ってほしいと思います」とさらなる期待を寄せつつ、「非常に嫉妬しましたね」と本音を漏らした。

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 映画は、オールフランスロケ、外国人キャスト、全編フランス語で、黒沢監督が海外に初進出した作品。西島さんは「黒沢作品だけど、もうフランス映画だった」と語り、「黒沢監督が撮る日本映画は、古い白壁に蛍光灯……という寒々しいイメージなんですけど、今回はブルーのドアと壁の色だったり、階段だったり。黒沢さんは、こういうゴシックな世界を本当は撮りたかったんじゃないかなって思いました。非常に嫉妬しましたね」と感想を語った。

 黒澤監督は、「(そういう世界が)撮りたかったんです。小さい頃から好きですね」と明かし、「東京でいつも撮っている風景も、映画表現として面白く使えるんですが、一度そこから全く開放された、そうではない場所に、普通に暮らしている人たちの映画を撮ってみたかった」とコメント。「日本以外の国でも映画を撮るのが昔からの夢だったので、この年齢(61歳)になって実現できたのは幸運だったと思います」とフランスでの撮影を振り返った。

 「ダゲレオタイプの女」は、世界最古の写真撮影方法「ダゲレオタイプ」を軸に、芸術と愛情を混同した写真家の父の犠牲になる娘と、“撮影”を目撃しながらも娘に心を奪われていく男の、美しくもはかない愛と悲劇が描かれている。

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