「ミニオンズ」を手がけたイルミネーション・エンタテインメントとユニバーサル・スタジオが再タッグを組んだ劇場版アニメ「ペット」(11日公開)の日本語吹き替え版で、犬のギジェットを演じる声優の沢城みゆきさん。「ルパン三世」シリーズの峰不二子役、「HUNTER×HUNTER」のクラピカ役などで知られる人気声優だが、「まだまだ試行錯誤中です」と話す沢城さんに、「ペット」への思いや声優としての活動について聞いた。
ウナギノボリ
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「ペット」は、ニューヨークを舞台に、飼い主がいない間にペットたちが巻き起こす騒動を描いたアニメ。主人公の犬・マックスをお笑いコンビ「バナナマン」の設楽統さん、毛むくじゃらの大型犬・デュークを「バナナマン」の日村勇紀さんが演じるほか、佐藤栞里さんや宮野真守さん、梶裕貴さん、銀河万丈さん、中尾隆聖さんらが声優として出演する。沢城さんは、マックスに思いを寄せる可愛いポメラニアンのギジェットを演じる。短編「ミニオンズ:アルバイト大作戦」も同時上映される。
「こんなに可愛い映画に参加できてうれしい!」と喜ぶ沢城さん。もともとは「動物が私のことを好きにならないことが多かった。弟が鳥や魚を飼っていたけど、私が鳥に近付くと、鳥が怒りだしたり……」と動物好きではなかったようだが、「結婚してから、ネコを飼い始めたんです。飼ってみると、可愛さが分かってくるようになりました。ネコのお尻、後ろ姿とか(笑い)」と変化があったという。
動物を演じることについては「動物といっても、心の動きは人と同じ。本当はしゃべらないものが、しゃべっているところに面白みがある。飾りを付けながら、(いかに)リアリティーを出すかが醍醐味(だいごみ)ですね。体は小さいけど、エネルギーがギュッと集まっているイメージ。(演技が)ちょっとオーバーになるところはあるかもしれません」と話す。
英語版はギジェットの声優を米女優のジェニー・スレイトさんが務めた。沢城さんは、スレイトさんの声について「ハスキーかつセクシーな中低音だった」と感じたといい、「ギジェットを見ていると、可愛い声で演じたい!と思ったのですが、演出の方には『大人の女性というところは残したい』と言われました。うまく着地点が見つかっていればいいのですが」と語る。
沢城さんは、アニメだけでなく、映画や海外ドラマの吹き替え声優としても活躍している。以前は吹き替えとアニメの違いに悩んだこともあったというが、先輩である声優の山寺宏一さんの言葉をきっかけに気付いたことがあったという。沢城さんは「17歳くらいの時、アニメの現場では子役っぽい、吹き替えの現場ではアニメっぽいと言われていて、居場所は、どこにあるんだろう?と悩んでいた。山寺さんに、アニメと吹き替えの違いについて質問したことがあって、『関係ないよ。作品ごとだよ』と言われ、その通りだと感じました。すごく心に残る一言でした」と明かす。
沢城さんは数々のアニメに出演している人気声優で“演技派”と呼ばれているが、インタビュー中は何度も「まだまだ試行錯誤中です」という言葉を口にしていた。「14歳のころから、とにかく明日の台本に一生懸命に取り組もうとやってきたら、今日になっていました。憧れている人にあって、自分にないものを埋めていくことを続けてきました。できていないことを一つ一つやってきたら、この年になってしまったんですね(笑い)」と語るように、演技に向き合う姿勢はストイックそのものだ。
「吹き替えは、最初から日本語をしゃべっているみたい……となるのが醍醐味。いつかそういう出会いができれば幸せですよね」と話す沢城さん。「ペット」の演技はもちろん、「試行錯誤」する中で変化していくであろう今後の活躍も注目される。
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