怪獣映画「ゴジラ」の新作「シン・ゴジラ」を手がけた樋口真嗣監督が3日、東京都内で行われたプレイステーション(PS)4用ヘッドマウントディスプレー(HMD)「プレイステーション(PS)VR」向けコンテンツ「『シン・ゴジラ』スペシャルデモコンテンツ for PlayStation VR」の先行特別体験会に登場。樋口監督は公開後の映画の反響について「知り合いとかみんな、見終わったあとに語りたい感じで、『飲もう』みたいな……」と明かすと、「それで飲まずにずっとゴジラのことを語るんですけど、みんなが初めて見た新鮮さが僕らにはない。本当はボクもそっち側、見る側に回りたかった」とホクホク顔で語っていた。
ウナギノボリ
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「シン・ゴジラ」は、「ゴジラ」シリーズの約12年ぶりとなる日本版新作。人気アニメ「エヴァンゲリオン」シリーズの庵野秀明監督が総監督を務め、脚本も担当。「進撃の巨人」の樋口監督が特技監督も兼任した。フルCGで新たに生まれ変わったゴジラの体長は118.5メートルで、これまで最大とされたハリウッド版「GODZILLA」(2014年、ギャレス・エドワーズ監督)の108メートルを10メートル上回るサイズも話題になっている。公開初週の土日2日間(7月30、31日)で動員約41万2300人、興行収入約6億2500万円を記録。8月1日までの公開4日間で観客動員約71万人、興行収入10億円を突破するなど好スタートを切っている。
体験会には東宝の佐藤善宏プロデューサーも出席。佐藤プロデューサーは「我々が脚本を作る段階でよく話し合ったことを感じてくださって、精神性みたいなものも伝わって、広がっているのがうれしい」と満足そうな表情を浮かべた。
「『シン・ゴジラ』スペシャルデモコンテンツ for PlayStation VR」は、映画用に製作された3DCGデータを使用し、全長118.5メートルのフルCGゴジラが目の前に迫ってくる……という内容で、10月3日から期間限定で無料配信される。
映画がVRで描かれる意義について、佐藤プロデューサーは「正直にいって脅威。映画というメディアは『こういうふうに見せたい』というもので、VRはそれを体験できる。視点、立場は違いますけれど、それを同じコンテンツでやられた場合はどうなるのかなって。相乗効果みたいなものもありますけど、どこかライバル的なものも出てくる。今回こうやってコラボできたのは挑戦的で、いいことだと思う」とコメント。
樋口監督は「映画を作る上で重要な要素がいくつかあって『フレームを切り取る』と『カット割り』のその二つが奪われるのがVR。そういった意味で、映画のように見えて映画では絶対にできないことだし、逆にいうとVRで映画のようなものは絶対にできないというのが面白さで、映画作りに(技術を)持ってきたいし、便乗したい」と語っていた。
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