マンガに精通する書店員らがその年の一番面白いマンガを選ぶ「マンガ大賞2016」(同実行委員会主催)の授賞式が29日、東京都内で開かれ「週刊ヤングジャンプ」で連載中の野田サトルさんのマンガ「ゴールデンカムイ」が大賞に選ばれた。3年連続でノミネートされ、俳優の藤原竜也さんが主演の実写映画も公開、テレビアニメも人気の三部けいさんの「僕だけがいない街」は4位に終わり、“三度目の正直”はならなかった。
ウナギノボリ
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「ゴールデンカムイ」は、かつて日露戦争で活躍した「不死身の杉元」が、ある目的のために大金を求めて北海道へ足を踏み入れ、アイヌが隠した埋蔵金への手掛かりをつかみ、アイヌの少女らと共に冒険をするというストーリー。黄金を求める冒険に加え、アイヌの文化や歴史、食事の描写などにも凝っており、「このマンガがすごい! 2016」(宝島社)オトコ編・第2位にも選ばれている。
マンガ大賞は、マンガに詳しいニッポン放送の吉田尚記アナウンサーと業界の目利きの書店員らを中心に2008年に創設された。過去の大賞作を除く、昨年(15年1月1日~同年12月31日)にコミックスが出版された通巻8巻以内のマンガが対象となる。まず96人の選考員が推薦した226作品の中から上位11作品をノミネートし、さらに91人がノミネート作品を選考員が目を通して投票した。1位を3ポイント、2位を2ポイント、3位を1ポイントで採点した。
これまでの大賞はいずれも受賞後にマンガの売れ行きが急増するため、出版社が最もほしがる賞としても知られている。08年は小栗旬さん主演で映画化された石塚真一さんの「岳」(小学館)で、09年はテレビアニメも放送され、広瀬すずさん主演で実写映画化された末次由紀さんの「ちはやふる」(講談社)、10年は阿部寛さん主演で映画化されたヤマザキマリさんの「テルマエ・ロマエ」(KADOKAWA)、11年は「ハチミツとクローバー」の羽海野チカさんのマンガで、神木隆之介さん主演の実写映画(2017年2部作公開)と今秋からテレビアニメが放送予定の「3月のライオン」(白泉社)、12年はテレビアニメ化とアイドルグループ「SexyZone」の中島健人さん主演で実写映画化された荒川弘さんの「銀の匙 Silver Spoon」(小学館)、13年は綾瀬はるかさんら主演で実写映画化された吉田秋生さんの「海街diary」(小学館)。いずれもマンガ大賞受賞後に爆発的にコミックスの売り上げを伸ばした。14年は森薫さんの「乙嫁語り」(KADOKAWA)、15年は東村アキコさんの「かくかくしかじか」(集英社)で、両作品とも今後の展開が注目されている。
なお男性マンガ家の受賞は、第1回以来の石塚さんの「岳」以来8年ぶり2回目。また石塚さんと東村さんは2度目の大賞受賞を狙ったが、惜しくも届かなかった。
「ゴールデンカムイ」野田サトル(91)▼「ダンジョン飯」九井諒子(78)▼「BLUE GIANT」石塚真一(68)▼「僕だけがいない街」三部けい(55)▼「百万畳ラビリンス」たかみち(49)▼「波よ聞いてくれ」沙村広明(43)▼「恋は雨上がりのように」眉月じゅん(42)▼「町田くんの世界」安藤ゆき(38)▼「東京タラレバ娘」東村アキコ(29)▼「岡崎に捧ぐ」山本さほ(28)▼「とんかつDJアゲ太郎」イーピャオ/小山ゆうじろう(25)
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