話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、“ヤクザ”と超能力少女のおかしな共同生活を描いた大武政夫さんのマンガ「ヒナまつり」です。隔月刊誌「Fellows!(フェローズ)」(エンターブレイン)編集部の塩出達也さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
「光る君へ」より昔! 最も古い時代の大河ドラマは? 1976年「風と雲と虹と」のあらすじ
−−この作品の魅力は?
ある日、芦川組の若手のホープ・新田の部屋に奇妙な楕円(だえん)形の物体が落ちてくる。なかにいたのは、無表情な少女・ヒナ。強力な念動力で新田を脅し、ヒナは新田家に住みつくことに。かくしてヤクザとサイキック少女の危険な共同生活が始まった!
超能力少女・ヒナの憎めない傍若無人っぷりと、それに振り回されまくるヤクザ・新田の哀れな姿が楽しみどころです。ふたりの掛け合いはクセになります。
−−作品が生まれたきっかけは?
元々は読み切りとして発表した作品でした。読み切りを読んだ「ふうらい姉妹」の長崎ライチさんから「あれは面白いから連載にしたほうがいい」とすぐに僕のところに電話がきました。読者からの反響も大きく、大武さんも「まだまだ新田とヒナで描きたいエピソードがある」とのことで、文句なしに連載化が決まりました。
−−編集者として作品を担当して、今だから笑えるけれど当時は大変だった……、もしくはクスッとしたナイショのエピソードを教えてください。
1本の原稿を完成させるのに、何度も何度も打ち合わせをします。いつも場所は決まってバーミヤン。「ヒナまつり」のほとんどはバーミヤンでできていると言っても過言ではありません。バーミヤンのトイレで大武さんは「ヒナまつり」のタイトルを思いつき、バーミヤンで大の大人がバカなマンガをまじめに話し合っています。必然的にバーミヤンのメニューはすべて制覇。新メニュー登場の時期がとてもうれしい。大武さんは「五目焼きそば」ばかり食べています。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
徐々に“親子らしく”なってきた新田とヒナの関係はもちろん、単行本3巻で羽ばたいた脇役2人、瞳とアンズのその後を楽しみにしてください。現在発売中のフェローズ22号では、ちょうど最新3巻の続きが読めます。今のところは男性読者中心ですが、ぜひ女性にも読んでもらいたいと願っています。フェローズの女性作家陣には「ヒナまつり」は大人気です。
エンターブレイン フェローズ編集部 塩出達也
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